明神塾 レジュメ2
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「江戸のリーダーとグロバリゼーション」・第2回
・江戸のメディア情報管理
〜将軍の顔は秘密にされた〜
2013年6月19日 安藤優一郎
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◆はじめに |
幕府は将軍に関する情報は、何であれ外部に漏洩しないよう目を光らせます。江戸のメディアをコントロールすることで、幕府が将軍を江戸の社会に君臨させようとした諸相を明らかにします
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1.将軍の顔は誰も知らなかった |
(1)将軍の顔を知っていたのは何人いたか
表・中奥・大奥/将軍の生活空間/中奥の側近/大奥の女性/影武者は600人いた
(2)顔は正視できなかった
顔が上げられない/近くに寄れない/真・行・草の礼/御目見得の意味
(3)将軍の肖像画はどのように描かれたか。
御用絵師狩野家/将軍死後に描かれた/寛永・増上寺に納める/下絵や本画模写が現存
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2.将軍に会うのも大変だった |
(1)将軍登場のサインがあった。
警蹕/沈黙の空間/外国人の驚き/神秘性をかもし出す
(2)拝謁の時、畳の縁を踏むと処罰された。
下城差留/目付の監視/障子に脇差が触れたら下城差留/目付の咳払い
(3)将軍との初対面の時はリハーサルがあった。
家督相続時の御乗り出し/習礼/高家が指南/長袴での前進・後退
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3.将軍が江戸城の外に出ると、どうなるのか。 |
(1)御成は必ず事前通告があった。
お忍びの嘘/江戸市中への布告/警備役人が鉄棒を突く
(2)御成道には誰もいなかった。
将軍行列の警護役/人払いと白扇/後難を恐れて人影なし/外国人が驚いた静寂の空間
(3)道筋の窓は開けられなかった。
目張り・窓蓋/見ることのできない崇高な存在/盛り砂と箒と飾り手桶/最高の敬礼
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4.将軍の情報は厳重に管理されていた。 |
(1)将軍についての出版は自主規制された。
江戸の出版事情/時事ネタ・徳川家はタブー化/書物仲間を通じて統制/写本で流布/将軍を見立てた小説が大ヒット/家斉がモデル
(2)葵の紋所の使用は厳しく制限された
御用達のメリット/寺社のメリット/寄進の制限/詐欺行為の多発
(3)将軍の情報を漏らしたのは誰か。
大奥勤務の御広敷役人/奥医師/奥女中の手紙
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おわりに |
明治維新後、将軍の情報が公開された〜守秘義務消滅、側近・奥女中への取材、日記の公開
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