「江戸のリーダーとグローバリゼーション」・第1回◆第一回レジュメ
〜神田祭に秘められた謎〜
天下祭と人心掌握のテクニック 明神塾 レジュメ1
◆講座の趣旨 
 戦争がなく平和で安定していたというイメージが強い徳川三百年の江戸時代。しかし実態は、災害や飢饉をはじめ政治・社会問題が常に山積していました。江戸の人々は社会的危機にどう対処してきたのか。江戸時代のリーダーと人々の危機管理の諸相を学び、現代社会への教訓と智恵の継承をはかりたい。
 ◇◆◇はじめに◇◆◇
 祭礼行列が江戸城に入って将軍の御上覧を受けた神田祭は天下祭とも呼ばれましたが、幕府からは祭礼費用が特別に支給されています。なぜ、幕府は神田祭を強力にバックアップしたのでしょうか。神田祭に秘められた幕府の深い意図を浮き彫りにします。
1.江戸の年中行事
(1)江戸の人々の参詣行動  災厄を除き、利益を願う/由緒があり霊験あらたかな寺社への参詣が盛ん/社会の安定に伴い、縁日や祭礼が年中行事化/『東都歳時記』の出版 (2)江戸の歳時記  五節句/2月の初午/6月の富士参り/7月の二十六夜待ち/10月の恵比須講/11月の酉の日/12月の歳の市
2.天下祭のはじまり
(1)3つの天下祭  神田明神と神田祭(9月15日)/山王権現と山王祭(6月15日)/根津権現と将軍徳川家宣の産土神/祭礼が天下祭に引き上げ(6月21日)、3年に1度/正徳4年(1714)の祭礼が天下祭の最初で最後/将軍吉宗の倹約政策の影響 (2)天下祭の原則  祭礼行列が将軍の上覧、祭礼の執行費用を幕府が負担/毎回ではない/神田祭は丑・卯・巳・未・酉・亥の年/将軍死去や災害で順延
3.天下祭の決まりごと
(1)町触にみる幕府の規制 参加者は神社側の指示に従うこと/見物人は喧嘩口論を仕掛けないこと/二階からの見物は禁止/天下祭にふさわしい秩序と礼儀重視/町に雇用された鳶の役割 (2)祭礼費用の負担 神輿行列の費用は幕府が支出/山車行列の華美・奢侈の傾向に歯止め/幕政改革期の規制・付祭の削減/芸人への芸の所望禁止/祭礼の遅延を招く (3)天下祭の意図 将軍との一体感醸成/ストレス発散の役割/外国人に祭礼見物を許可/幕府の威信を内外に発信させる/江戸の経済活性化/女性も踊りで参加・手古舞
4.天下祭の諸相
(1)山車行列と付祭 氏子町が山車を仕立てる/付祭〜踊り屋台・地走り踊・練り物/大きな造り物を仕立て、その主題に沿った仮装をした人が練り歩く/歌舞伎や昔話を主題とする〜大江山の凱陣/時事ネタ〜麹町の象、朝鮮通信使の行列/相当な費用がかかるが減らせない (2)事前のチェック 6月に祭礼の当番町決まる/付祭の内容を協議/7月に付祭の人形の仕様や、参加芸人、祭礼の道筋決まる/8月に芸人名簿作成して町年寄に提出/祭礼番付の校正刷出来/芸人との契約/9月に行列に参加する町人の衣装を確認/前日に山車行列のリハーサル/付祭も同様/各町の附祭を請け負うコーディネーター(踊りの家元・役者)の存在/天下祭ならではのチェックの厳しさ/幕府肝煎りの天下祭の成功は幕府の威信強化に直結
 おわりに
天下祭江戸と現代の神田祭
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